BWS100 RUIMA55.5φ 焼きつき

時々中古パーツの取引(手渡し)をしてると、私のも弄ってくださいよと
頼まれることがあります。
本当は人様の車両を弄るほどバイクに詳しいわけではありませんが、
ついついオッケーしちゃいますよね。
 
なぜ、ついついオッケーしちゃうの?といいますと、
コストの問題で自分の持ってる中古パーツを利用することもあり、
そうすることで悪性在庫も処分できますからついついw
あと、意外とこれが勉強にもなったりしますね。
 
基本的には工賃はいらねぇ、その代わりトラブルの
責任は持てねぇ、そして!!!!中古パーツ代は俺が決める(爆)
的な感じですが、人様のバイクは極力焼きつかない仕様にしています。
 
私がプチタマケン号と呼んでいる車両がこちらに4台ありますね。
一台はオーナーさんが車両を処分したので世話をしてるのは3台だけで、
その中二人は随分と成長しましたので、事実的には4号機のオーナー一人だけですw
この方はとにかくやる気がない、ケーブルタイを落としても拾わずに新品を
使いがならこう言います。
「自分、ぽっちゃりですから拾うの面倒なんすよ」と <100キロ超えてます
 
とにかく、プチタマケン号の中で焼きつきで苦労している方は今のとこ一人も
いません。人様の車両を始めていじったときはどれだけ心配したものか(笑)
唯一、3号機は一度焼きつきましたが、修正して5000キロ以上問題なく
乗ってるところですし、焼きつきの原因も「ご自分でエアクリを変えて、
ご自分でキャブセッティングをした」ということで、まだ1敗もないと
言い聞かせていますw
つーか、自分のだって一つの尻で5000以上乗ったことはたぶんないっす!(爆)
 
プチタマケンというと、ノーマルクランクに55あるいは55.5ボア@ポート加工、
そこにOKO28かPWK28の箱付きが基本です。駆動は自分で弄れる方は
90系、弄れない方は100系です。といいますか、私を頼ってくる方は
基本弄れない方ですので、はじめは100系、弄れるようになったら90系になる
といった感じですね。マフラーは新型PGかG03(旧型PGも含む)です。
  
さて、いつも通りですが、前置きが長くなってしまいました。
先日、プチタマケン4号機のオーナーから電話がかかってきました。
「大変ですアニキ!トンネル(例のコースw)で急にEGがストップし、
それから何度も何度もEGストップしてます!家に帰れません、助けてください!」と(爆)
 
なんかいやな予感がしましたが、焼きつくような要素はないと思ってましたし、
「今日走ってから5キロ前後」の距離でEGストップしたって
言うもんだから、「分かった、すぐ行く」と、プラグだけ持って行ってみました。
 
んで、エンジンはとりあえずかかるということでしたから、
キーをまわしてみる。
あれ?赤いオイル警告灯がついている・・・。
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はいはい、オイル切れでした(爆)
 
何でオイル切らした?と聞くと、
「これ、ブレーキ灯じゃないっすか?減速中点滅したんですけど」
と笑えない冗談を(苦笑)
 
第一、私が確認したときにはもう点滅どころじゃなく、
キーをまわした時点で完全に光ってました。
エンジン音はこれ以上ないほどけたたましい音w <オイルが切れてる状態
 
オイル切れによる焼き付き確定ですね。他に原因があるとは思えません。
よって、翌日腰上をばらしてみることにしました。
 
応急処置としてとりあえずオイルを混合し、
「時速60キロ以下、開度半分以下で走れば数キロ程度は問題なく走れるから
ゆっくり帰ってね」と伝えました。
無事に帰ったようです。
 
んで、腰上を確認してみました。
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さすがオイル切れです。
ほぼ全範囲にかけて、迫力のある焼き付き具合です。
掃気の下だけはきれいですね(笑)
 
こんな重症をおった尻でも、ホーニングしちまえば普通に使えるっちゃ
使えるとは思いますが、あまり良いエンジンにはなれないでしょうし、
よりによってこれはRUIMA55.5φ。ピストン単品は普通の手段じゃ
手に入りません。
 
ボーリングって手もありますが、この国では出来ませんね。
出来ますけど、出来ません。
 
よって、シリンダーを変えなきゃいけない状況。
*2~3週はかかると思うけど55.5φ新規で作るか
*ノーマル尻改を譲ってあげようか
*変な57φ中古尻が入ったけど、俺も使ったことないけど使うか
と、3つの選択肢を与え、オーナーに任せましたが、57φでいくと。
 
また自分の悪性在庫が処分できて正直ちょっとうれしかった(笑)ですが
57φってのも、この尻の素材も、自分は一度も使ったことがないので
、不安が残るのも事実。
 
よって、1000キロものれないで焼きつくのであれば全額返金してやる、
あるいは新品ピストンを買ってくれば組んでやるという条件でやりました。
 
しかし、この素材めちゃくちゃ個性的ですね。
おそらく、となりのブログのリサイクル尻の素材がこれです。
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101刻印のある57φ尻ですが、101刻印があっても、
どーも52φ、56φ、57φすべて金型は違う気がします。
 
この尻の場合は中古で買ったのでなんとも言えませんが、たぶん最初から57φ
として発売された商品だと思います。
 
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ピストントップはかなり低い(上JCC55.5、下57φ付属)
 
おまけに掃気下も49mm程度と「高く」、あくまでもノーマルクランクで
組むとしたら下死点での掃気合わせはやりやすい方向になりそうですね。
 
あとは、ベースガスケットのとこからヘッドガスケットまでの長さが85.8mm前後(誤差あるかも)とRUIMAと同等と見えたので、肝になるのは圧縮かな~という予想は組む前からできました。
 
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しっかし、まさかここまでとは…。
ベースノーマルの0.6mm、47.6mmのノーマルクランクでこれです。
無加工で組むと、下死点でピストンが掃気下や排気下より
下に位置することになります。
 
すべてのポートを1mmくらい下に下げちゃえば、
あるいは都合の良いピストンを用意すれば
ノーマルクランクでも手っ取り早く掃気あわせができる尻かもしれませんね。
逆に言えば、ロングクランクなら掃気加工が必須と
いっても過言では無いかもしれない。
 
あ、そして。この尻の場合、排気ポートの高さ(上からの測定)が
最初から高く設定されている疑惑がありますので、そこらへんも
ちょっとシビアになるかもです。
 
疑惑と書いた理由。これは中古で買った尻ですが、
これが無加工なのか、ちょいとポート加工されてるのか分からない状態でした(爆)
ま、私の中古は最初から25.2~25.5mm位でしたね。
 
と、「中古だけど、とりあえずポート加工しといたから30キロくらいは
ゆっくり慣らしてネ」ということでとりあえずは作業終了です。
慣らしが終わってから細かいセッティングをすればオワリですね。
 
世の中、私の知らない不思議な尻はまだまだたくさんあるもんだ、
と勉強になりました。
 
にしても、こんな尻(失礼w)でぬうあオーバーっすかー。
なんかすごい素材が来るかもしれないと期待したのも事実ですが、
ロンクラでは逆にやりづらい尻って印象。
やっぱ実力ですな。すごすぎますぅー!
 
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ああ、追記です。
焼きつくとなぜかプーリーやフェイスにベルト痕が残ったり
アルミが溶けたりしますよね。幸い軽症でした。